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私の世界

第2章 新しい世界




あの後、結局また寝てしまった朱里。起きるとローが笑いかけてきて、ペンギンとシャチはぎこちなく挨拶をし、ベポはオドオドと声をかけてきた。


「…おはよう、皆。ご飯、作るね」


自分が出せる最大限の笑顔で言えば、皆して嬉しそうに笑った。

悩んで悩んで、結果的に誰も良い気分にならない。それなら、もう本当に開き直ろう。同じ性格なら、きっと過ごしてきた生活が違うだけで私もこの世界の彼女も、変わりなく朱里なんだと。まだ完全に吹っ切れたわけではないけど、幾分スッキリした気分で台所へと歩いていく。何故かローがついてきている。


「今日は、おにぎりだな」
「…梅干し抜き?」
「そうだ」
「次からこういうのはやめて欲しいかなぁ」


さり気なく腰に手を回されて、ちょっと不愉快。この世界の朱里と唯一違うのはローへの感情だな、と朱里は思い改めてローの顔を見る。


「うぅーん、顔面偏差値高過ぎて…2次元とか2.5次元の人間としか思えない」
「何言ってんのかよく分かんねぇが…まぁ、同じ人間ならいつか俺の事も好きになるだろ」


そんな日が来るのだろうかと思いつつ、朱里はローの好物を作る事にした。ローが無言で完食し、ペンギンとシャチ、ベポはやっぱり美味しいな、なんて笑って話していた。


戻れるかどうか、違いを探してどうにかしようとせずに…
ただ、この新しい世界で生きていく事を考えよう。その上で元の世界に戻れるなら良い事である。戻れないなら、それこそこの世界に順応すべきだ。だから、今は本当に…前を向こう。言い訳もしない。


「私は、私だよね…」


ポツリと呟けば、皆してどう言葉をかけるべきか悩んでいた。そこで先陣を切ったのはローだった。


「こんなすぐ手が出て馬鹿で、料理だけは上手いのに他は不器用な奴が2人も3人もいないだろ」
「は?」
「確かに…スタイル悪くないわけじゃないのにセンスも皆無とか滅多にいねぇよな」
「んん?」
「笑顔で脅してくる女なんて朱里ぐらいだろ」
「ちょっと…」
「…2人もいたら、怖いかな」
「全員並びなさい。手加減はしないから覚悟して」


もれなく追いかけ回して1発ずつ入れ、その後皆で笑った。

そして、いつか何のわだかまりもなく笑える日を望んで朱里は前を向いた。
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