サバイバーに裏切られたのでハンターになって復讐しようと思う2
第8章 …
「…まず、君の手形が欲しいんだ。だから、この台に手を押し込んでくれるかな」
えぇぇ本当に何するんだろう。
「分かりました……わっ!?」
一見固そうな台だったから強めに押し込んで見たら、案外柔らかかった。
「ありがとう。うん、いい感じだ。あとは、数十分かけて色々するだけ。その後魂の儀式をして、君は転生出来る。……みんなと話したかったら、話してきていいよ。数日待ってほしい、とかも受け付ける。
どうする?」
少しだけ迷ったが、私はすぐに答えを決めた。
「すぐ、行きます。みんなとは話しません」
最後の最後で惜しんだりすれば…きっと転生出来なくなると思うから。
「分かった。じゃあ、そこの本でも適当に読んでおいて」
荘園の主が指差した先には、なんでこんなもんがあるんだといったエロ本や、小難しい本、不思議な小説などがあった。
「ありがとうございます」
私は迷わず解剖学の本を取った。
ジャックがこういうの詳しかったなぁ。
読んでみると案外面白い。
腎臓の中身とかなんだとかのページを見ていると、ナイチンゲールが覗いてきた。
「……はこういうのが好きなのか?」
「ううん。ジャックがこういうの詳しかったなって思いながら読んでるだけ」
「寂しくはないのか?」
……少しだけ寂しい。でも、寂しいと言ったら本当に悲しくなる。
「寂しくはないよ。楽しみ」
「そうか」
ナイチンゲールは何かを諦めたように苦笑し、さきほど座っていた椅子にまた腰掛けた。
「……ナイチンゲールは寂しいの?」
無意識に聞いてしまっていた。
焦って私が弁解する前に、ナイチンゲールは静かな笑みを浮かべて「私は寂しい」と言った。