第3章 面影のない君
「はぁ…」
どうしてこんなに憂鬱なのだろうか。
学校へと続く道を照らす太陽を睨みつけながら歩く、いつもと変わらない登校風景。
こんなに足が重く、学校に行きたくないと思うのは、水の克服練習があるからだろう。
……了承するんじゃなかった。
どうして頷いてしまったのかと過去の自分を恨んでももう遅い。
ゆっくり歩いていても嫌だと思っていても、歩けば歩いただけ学校には近づいて行く。
やがて見えてきた学校の外観に私の憂鬱さはピークに達した。
一度足を止めて学校を見上げた私の背後からバタバタとうるさい足音が聞こえ、何事かと後ろを振り向いた時、それは襲いかかってきた。
「由真ちゃ〜ん!!」
「うわっ?!」