第2章 マネージャー
「……ん」
汗を吸った服が体に張り付く不快感。
べったりと前髪が額に張り付いている中で目を開く。
……夢。
久々に夢を見た。
ギッとベッドが軋む音と共に身体を起こし、ため息を吐いた。
まだ時計の針は夜中を指しているが、完全に目が冴えてしまった私はこのまま眠ることは出来ない。
お風呂に入ってすっきりしよう。
家族を起こさないよう注意して、極力物音を立てないように風呂場へ向かう。
洗面所の鏡が映し出した私の顔は酷く滑稽で、思わず顔を背けた。
温かなお湯で不快感を流しても、私の気分が晴れることは無かった。