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【呪術廻戦】/無題/

第6章 /休日/徊詮/



現代で数少ない"確実なこと"といえば
せいぜい三、四つ。
水戸黄門が勝利すること
日曜にサザエさんがあること
釘﨑野薔薇の買い物が長引くこと
そして、月瑠にとっては五条悟の突拍子な
言動・行動くらいだ。

「月瑠、明日出かけよ」
「えっ、誰と?」
「僕と」

釘﨑と出会い、実地試験も終わったその日の夜。
寮へ帰宅した月瑠は五条や伏黒に渡された現代の書物…まあ観光ブックのようなものなのだが、部屋で本を読みながら静かに過ごしていた。
そんな中、唐突に扉をノックされればこれまた唐突に外出を促してくる五条悟。

「なにか、あるの?」
「良いから、明日朝10時に迎えに来る。用意しといて。あ、制服じゃなくて私服ね」
「…?…了解」

明確な理由も言われずトントン拍子で話が進み、五条は要件だけを言って去っていく。
ある意味1つの任務が完了したその日に更に追加での外出となる。自分は何かしたのだろうか…それとも、もっと重要な、呪いとしての自分に対する要件なのだろうか。そんな気持ちがふと月瑠の頭を過った。



───────

次の日
一応、五条に言われた通りの時間帯までに用意を済まし、部屋に取り付けられた時計を見る。もうすぐ五条が迎えに来る頃だろう。
彼は私服だと言ったが今の月瑠が持っているものなど数少ない。
現代の学生としての彼女を考えるならば、もはやミニマリストの域だろう。
高専から多少は日用品を提供された為、適当なものを選んだ。

月瑠にとって、おしゃれだとかモノの実用性だとか
そんなものはあまり興味が無いのだ。


「月瑠、用意できてる?」
「…!できてる。おはよ五条」
「おはよ、じゃ、行こうか」
「…うん、」
割と遅刻常習犯なはずの五条悟がほぼ時間通りに月瑠の部屋を訪れ
2人は出かけていった。
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