第4章 初志貫徹
翌日
ホテルの窓に取り付けられたカーテンの隙間から漏れる朝日に照らされ、月瑠は目を覚ます。
重たい瞼を擦りながら伸びをすれば誰も居ない静かな部屋全体が視界に入る。
昨夜は無理矢理寝かされはしたが、寝るまで側に居てくれた五条のおかげで安眠することができたと思う。部屋に取り付けられている時計を見れば指定された時刻が近くなっている事に気付き
急いで身支度を整えた。
「おはよう、伏黒」
「あぁ」
昨日貰った服を着て、先にフロントで待っていた伏黒と共にホテルを後にする。
行く先は火葬場。
虎杖の祖父が先日亡くなり、その遺骨を埋葬しなければいけなかった。
五条と虎杖もそこに居るため、今日はその場で集合する事になったのだ。
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目的地に着き、月瑠は伏黒の隣で冷たく暗い廊下を歩く。二人は奥の収骨室の扉の前で待つこととなった。
ここで亡くなった方が火葬され、最後は骨になって墓に入る。
着いたときに建物の煙突から見えた黒く立ち上る煙が
何だかあっけなく、生々しい
「ここが集合場所?」
「あぁ。たぶん、今中で五条先生と虎杖が話してる。これからどうするのか、虎杖に決めさせてるんだろ」
「…私とその子、今日これから何処に行くの?」
「東京」
伏黒がそう言うと同時に、収骨室の扉が開いた。