Forget-me-not fairy story
第1章 First encounter 初めての出逢い
ERICは、考えました。
天界のお花畑は、この地上よりも綺麗で匂いも香しくて、だけども、甘い蜜が吸えないなんて、そんなお花畑がERICには、必要だとは、とても思えませんでした。
「ERICくん、僕を君がこれから行くお花畑に連れて行ってくれるかい?」
「勿論だよ。LEON王子」
ERICが、お花畑へLEON王子を連れて行こうとちょうどしたところに、バターロールサンドの乗った大きなお皿を運んでいたRueがやって来ました。
Rueは、LEON王子を見ると、びっくりした様に、大きな薄い水色の瞳を見開いて、LEON王子を見つめて言いました。
「あなたは、どこの国の妖精なのかしら?わたしは、あなたのような妖精は、初めて見たわ」
LEON王子は、Rueを見てくすりと笑って、こう言いました。
「僕は、君達と同じ妖精族ではないんだよ。天上界の獅子座の星の王子で、まあ、簡単に言うと、空から落ちて来たんだよ」
「まぁ、星から落ちて来たですって!!」
「うん、そう言う事だ」
「そんな話聞いた事がないわ!!」
「Rue、それが本当みたいなんだ」
今では、レモンの木にちょこんと止まって、二人の様子を見ていたEricが、恐る恐る言いました。
「そういえば、あなたには、わたし達、妖精族の様な羽がないわ。それに、あなたの頭の上には、この花妖精の森の族長様よりも、素敵な王冠まで被ってる」
Rueは、LEON王子の煌びやかな刺繍の付いた服に、煌びやかなマント、そして、キラキラと強い光を放つ王冠の中央に嵌め込まれた青い大きな宝石を見て言いました。
「あなたの言う事は、全くの嘘ではないようね」
「そうだね、僕は、君達に嘘を言う必要などないんだよ」
LEON王子は、そう言うと、静かに目を閉じて、こう言いました。
「星屑よ、この森に金の粉となって舞い落ちれ!!」
すると、空から金色にキラキラと輝く星屑が、金粉の様にふわふわと降って来て、花妖精の森の全てを瞬く間に、美しい黄金の世界へと塗り替えました。
「まぁ!!Eric!!あなたは、金細工のキラキラと輝くハチドリの様!!」
「Rue!!!君こそ、まるで金色の風のシルフの様な美しさだよ!!!」
LEON王子の身体だけは、身体の内側から金色の光が溢れ出るようにキラキラと輝いて居ました。