第5章 本音
夢主 side
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次の日の朝、お互い何も身に纏っていない状態でリゾットさんに抱きしめられていた。
腰に違和感がある。
どうしよう…やってしまった…。
まだリゾットさんが私の事好きかどうかも確認しあってないのに。
気まずくなったり…しなければいいけど。
そんな考えが頭の中をぐるぐる巡る。
恐る恐る顔を上げる。リゾットさんはまだ眠っていた。
うわぁ…寝顔も整ってるな。銀髪もすごい綺麗…。
額にかかった髪をそっと撫でる。
『……かっこいいなあ』
ぼそりと呟いた。
「起きたのか…」
『!?』
お、起きてたの!?顔がカァっと熱くなる。
今の、聞かれた…?
そっか…暗殺者だし、気を張って生活してるから私が起きたのなんてすぐ気付くよね。
『リゾットさん…あの…』
「夢主…身体は痛くないか。
無理をさせてしまったかもしれない…すまない。」
そう言って、頬にチュと軽くキスをされて頭がくらくらする。
何この甘い愛情表現…
リゾットさん、普段とのギャップが凄すぎるよ。
『あ…あの……』
正直、無理はした。けど…良かった…。
何て、恥ずかしくて本人には言えない。
『…私シャワー浴びてきます!!』
いてもたってもいられず、ベッドから飛び起きて服を慌てて着ると、リゾットさんの顔を見ずにそのまま部屋を後にした。
どうしようどうしよう
昨日まで一応上司だったのに…どんな顔すればいいか分からないよ。
まさか最後までしちゃうなんて思わなかったし
お風呂場にいき、鍵を閉めて一息つく。
ふと、鏡に目をやった時だった。
『えっ!?』
首筋や胸元に紅い痣がたくさんできている。
嘘…こんなにつけられてたの…!?
昨夜の事を思い出してゾクッとする。
リゾットさんって…意外と情熱的なんだなぁ。
そういえば…リゾットさんは…今どんな気持ちなんだろう。
昨日のは、単なる一夜のそう言うのなのかな…。
__ちゃんと、付き合いたいな
ぼんやりと、そんな事を考えていた。
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