第3章 安らげる場所_3章
「…!ごめんなさい!もうこの船を降りるし、
無断で入らないから見逃してください!
お願いします!」
マリアは目の前の心臓が間違いなく自分のものだとわかった。
特に体を拘束されていたわけでもなかったが動けない。
怪しい行動をしたら、すぐに心臓を潰されるかもしれない。
この場から逃げても、自分の心臓は帰ってこず、
いつ潰されるかもわからず
ずっと不安な状態で過ごすごとになる。
「駄目だ、しばらくこの船で働いてもらう、
お前が信用に値する人間だとわかったら解放してやる」
「な、なにそれ!?…いいの?
あなたの可愛い船員に
手を出すかもしれないよ?」
男はまだぎゅっと心臓を握った。
「い、いたーい!!」
「こっちにはお前の心臓があることを忘れるな、
もし俺の仲間に手を出してみろ、
すぐに潰してやる。」
(で、ですよねー…)
マリアは脅しのつもりだったが、そんなもの通用しない。
そもそも、罪のなければ船員に
手を出そうなんて思ってもいなかった。