第9章 最後
*
電車に乗っている最中…。
「…ご機嫌…ですね?」
「当たり前。この先もずっと一緒にいられるんだから。」
「なるほど。」
「嬉しくないの?」
「…嬉しいです、凄く。」
「……ねえ。」
「…?」
「…そろそろ敬語やめない?」
「!…」
いつか…言われると思っていた…。
「…む…無理です…。」
「無理じゃないです。それに名前で呼んでくれなかったし。」
「そ…それは黒河さんもです。」
「…緊張してたから。とにかく、敬語やめて、やだ。」
「…が…頑張ります…る…。」
「フフッ…何それ……まする。」
「混ざっちゃった…。」
思わず笑ってしまった。
*
電車から降り、歩いて帰る。
「今度はどこ行こうか。」
「ん…どう…しよう…考えときます……る…。」
「フフッ…また、まする。」
「慣れないんですもん…。」
「ちょっとずつでいいよ。」
微笑んでいる黒河さん。