第1章 プロローグ
それはある冬の出来事だった
「ま、まさかこんな展開だったとは…』
少し肌寒さを感じるようになってきた季節、あたしはなぜか普段解放されていることがない屋上に来ていた
屋上という響きに惹かれて来てみたものの、来て正解だったと思い座ってその漫画を読む
別に普段からサボっているわけではない。今日はなぜだか分からないが屋上に行きたいと思ってしまったのだ
そんな軽い言い訳を考えているとチャイムの音が響き渡った
今のは恐らく最初の授業が終わったチャイムだとため息を吐く
『じゃ、教室行こうかな』
遅めの登校になっちゃうけど、まあ行かないよりかは…サボりたくてさぼった訳ではないんだ
そうだ自分は悪くない。今日発売の漫画が悪いんだと思って側に置いてある鞄を手に取り立ち上がった
そしてドアを開けて階段を降りようとした。いや、ドアを開けて階段に足を出すまでは良かったはずだ
『あ、あれ?』
いや、それ以前だった。急に立ち上がり歩き始めたら立ち眩みを起こしたらしく、目の前の視界が歪み始めた
そのせいで出した足は階段を見事に踏み外して落ちた瞬間背中に強い痛みが生じ、意識が遠のいていくのが、自分でもよく分かる
『自業自得かな…』
目の前が真っ暗になっていき自分の声すらも、しっかりと届かなかった