第2章 目が合うその先の欲望と *
本当にただ、ただ目が合った ____
ただそれだけ ___ 。
「さあ!皆お疲れ様~!今日は思う存分飲んでくれ!」
壁外調査が無事終わり負傷者、死者は多いものの任務を果たした兵士達にと幹部が開いた飲み会。
104期の私達はようやく18を迎えお酒が飲める年齢になり、それぞれ役職を背負っている。
エレンやジャンは相変わらず言い合いと飲み合いに煽るように騒ぎ立てるコニーや周りの兵士達。
アルミンやミカサは呆れた顔と苦笑いしその風景を見つめていた。
私もそれを見ながらお酒が入ったコップに手を掛け口元へと運ぶ。
新兵達もワーワーと騒ぎ立てているのを耳にしながら飲んでいると何故か何処からか視線を感じた。
誰だろう。。?
ふと手元のコップから視線を上げ探して見れば思わぬ人物にドクンと心臓が跳ね上がった。
その人物とは私達の上官のリヴァイ兵長だったから。
な…何で…?
ドクンドクンと速くなる鼓動を耳にしながら何故かその視線から離せないでいた。
周りの騒ぎ等耳に入らないくらい。
しかも厳しい目付き…では無く何処か熱い眼差し。
何だというのだ…一体。
暫し見つめ合っていると兵長は酒を手に持ったまま私の方へと歩き出した。
向かってくる一歩一歩にどんどん速くなる鼓動。
そして、間近になった時兵長は口を開いた。
「隣いいか?」
「っ…!どうぞ…」
そう言うと兵長は私の隣に来て椅子を引き座る。
こんなに間近で座られたこと無いから変に緊張しちゃうな…
それに…あの視線は一体…
考えながらお酒を口にしていると兵長が聞いてきた。
「…お前、相変わらず一人でいるが彼奴らと話したりしなくていいのか?」
「へ…?あ…エレン達とはさっきまで話したりしてましたよ。ジャンが絡んできてそこからは見ての通りです。」
「…そうか。彼奴らも懲りねぇな。」
呆れたように呟き独特の持ち方でお酒を口に運ぶ兵長。
それに少しだけ口元を緩め話を続ける。
「そうですね。兵長こそいいんですか?ハンジさんに付いていなくても。」