第1章 声の甘さ *
・・・・・・・どこまでも、甘い。
ベッドの上で押し倒され体を揺さぶられ…
その度に生まれる快楽を体は拾い上げ全身へと伝わせる。
甘い快楽が広がれば体はビクリと跳ね上がり声が出ずにはいられない。
「ンッ…ふぁっ…あっ…あぁっ…ッ!」
部屋に広がる自身の甘い声音に恥ずかしくなり唇を噛み締める。
するとそんな私を許さないのか親指で固く閉じている唇を割り囁く。
「…おい、声押し殺すんじゃねぇよ…。」
「んッ!むッ…ぁ…あ…へい…ちょ…ッ…」
無理やり開かせた唇からまた声が溢れ出す。
こんな声…聞きたくないし出したくない…
自分じゃないみたいで…ましてやそんな声を好きな人に聞かせているだなんて…
恥ずかしい…ッ!
「やぁッ…はずかし、あっ…!」
「あ?今更何言ってやがる。恥ずかしいことをしてるんだろうが。」
「やっ…そうじゃ…なくてッ…あっ…声ッ…!」
「声?出せばいいだろ。」
そう言って首筋に唇を這わせ口付ける兵長。
「っ…あっ…い…やぁ…ッ!」
ブンブンと首を横に振り拒否を示せば兵長は少し困った様子で動きを止め顔を近づけ聞いてくる。
「…何故だ?何が嫌なんだ?」
「っ…だ…だって…その…」
「…何だ。言いたい事があるならはっきり言え。」
強く鋭い瞳で見られ私は怯みながらも目線を反らし言う。
「……こんな…声っ…す…好きな人に聞かせたく…無いですっ…!」
真っ赤に頬が染まっていくのを感じながら何とか言えた理由。
はしたない…し…あんな淫らな声…嫌だ…
唇を噛み締めていると兵長は小さく息を吐く。
「…俺はお前の声聞きてぇが?」