第2章 目が合うその先の欲望と *
間近に迫ってくる快楽に私は怖くて逃げたくて涙が浮かぶ。
それを兵長は安心させるように目尻、頬…に口付けていく。
「ふあっ…やぁっ…もうっ…」
「……俺に全部見せろ。」
そう耳元で囁かれ導かれるように快楽の波が一気に体全体を包み込み背が仰け反る。
「あぁぁっっ…!!」
ビクビクと痙攣し高みへ登り終えると指が抜かれてまたその刺激にビクリと腰を震わせる。
感じたことのない快楽にただ息を吐き出しながら余韻に浸っていると兵長がそっと頭を撫でてきた。
「はぁ…ん…」
「大丈夫か?」
「…は…い…ちょっと…びっくりしましたけど…」
ふにゃりと笑うと頭を撫でながらチュッと頬に口付けてくる。
優しい…撫で方と…愛しいと言われているかのような口付けに胸が高鳴ってしまう私。
勘違いも甚だしいのに…でもこの感覚をもう少しだけ味わっていたい…。
そう思っていたら段々瞼が重くなってきて目が開かない。
「…眠かったらこのまま寝てもいいぞ。」
「っ…で…も…兵長が…」
「俺はいい。色んなお前が見れたからそれだけで充分だ。」
いつもの厳しくて冷たい声色は無く優しくて温かい声。
こんな兵長…知らない…。
「…私…何も…してなっ…」
「…してる。だから何も気にせず寝ろ。」
そう言って目元を手で覆われる。
あまりの心地良さに「夢?」と口から出そうになった時、そっと柔らかい何かに唇が塞がれて…離れた後は耳元で…
「おやすみ。」
その囁きと共に私は意識を手放した ____ 。