第9章 愛とこの熱さと温もりの意味【中編△】
…?感じる…?
何をだろう…?
不思議に思いながら握られた手を見つめる。
そういえば…どうしてこの人はこんなに優しく握るんだろう…?
決して強くも弱くもない…。
今まで相手にしてきた男性達とは違う…強引じゃない握り方。
何だろ…これ。
それと同時に胸の奥に広がる温かい気持ち。
_____ 知らない感情。
「っ…わかりません、、」
辿々しく言葉を繋いでいけば、兵長は「そうか」と一言だけ言ってでも手は離さず…。
親指で手の甲をそっと撫でられる。
イヤらしい触り方じゃなくて、小さな子供を宥めるような触り方で。
こんな優しい触れ方されるの初めてで…
戸惑いとどうしたらいいか分からなくなって…
____ 怖い。
「っ…兵長っ…」
「どうした?」
「…もう…離してくださいっ…」
握られてる手を振り払うように動かすが、兵長は何故か離してくれない。
どうして…っ…
「っ…やだっ…て…」
「…何が嫌なんだ?」
「何がって…わからなっ…」
訳の分からない感情が胸いっぱいに広がってくるから…もう怖いのとどう受け止めたらいいか、解釈すればいいか分からなくて…
それから逃れたくて仕方ない。