第11章 穏やかに賑やかに
あぁ…
お酒が美味しい…
みんな、楽しそうだなぁ。
(蜂須賀と長曽祢はなんだか微妙だけど)
良かった、みんな笑えてる。
できる事なら、辛い記憶は消してあげたいくらいだけれど。
それはさすがに不可能だ。
だから、楽しい事で上書きしよう。
蜂須賀「主、どうぞ。」
蜂須賀がお酌をしに来てくれた。
『ありがとう。
蜂須賀も、どうぞ。』
蜂須賀「いただきます。
…それで、主。」
『なぁに?』
蜂須賀「もう、服装も行動も制限なさらないで下さい。
貴女も、自由に…ね?」
『…明日からそうする。
でも、ジャージは楽だね。』
歌仙「お似合いですが、主にはもっと雅なものの方がお似合いですかね。」
『雅なもの?
似合うかねぇ。』
装束と普段着数着とジャージしか無いなぁ。
あ、宗近に揃えてもらった装束は雅だけど、普段には着れない。
あんな高級な服…緊張するわ。
三日月「月胡、“あれ”はいいのか?」
『そうだった!
蜂須賀・歌仙・浦島・日本号・明石・蛍丸・愛染・陸奥守・前田・後藤、ちょっと来て。』
昨日まで籠っていた間に、新入りの御守りを作っておいた。
『これ、御守りね。
好きにつけてくれると、嬉しい。
一度なら身代わりになってくれるから。』
一人一人に手渡す。
前田「嬉しいです…。」
陸奥守「持っちょるだけで、護られてるようじゃ。」
『えっ!?
蛍丸、なんで泣いでるの?』
蛍丸「こんな風に…
大事にされた事がなかったから。」
蛍丸…
『おいで、蛍丸。』
そっと、抱き寄せる。
『うんと、大事にするから。
私の蛍丸…。』
蛍丸「うん…
僕も、主さんを大事にするからね。」
もう、充分だよ。
『みんなにも、言っておくね。
私は、みんなが笑っていてくれれば、それ以上何もいらないよ。』
もちろん、これから辛い事があるだろう。
それでも、ここがあるから。
この場所は、みんなを傷つけないから。
『だから、絶対にここへ帰って来て。』
この中では、私が盾になる。
刀にも、なるよ。
乱「もー!
だから、大好きなんだよ!主さんっ!!」
またも、乱が後ろから飛びついて来て。
それを皮切りに、短刀達が突撃してくるのがテンプレになりつつあるな。
ちゃんと、前田に後藤・愛染も加わってる。
『私も、大好きだよ。』
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