第4章 様々な関わり方
膝丸!
ちょうど、良いところにっ!!
髭切「印、つけただけだよ。」
膝丸「……。」
あれ?
膝丸、怒ってる?
膝丸「兄者だけ、ずるいな。」
『えっ?んっ!!』
そう言うと膝丸は後ろ側に回り、襟口を広げて肩の辺りに吸い付いた。
膝丸の息がかかって、くすぐったい。
『こら、膝丸っ!』
膝丸「見えない所にしたから、大丈夫だ。」
『大丈夫じゃないよ、この兄弟は…
生まれて初めて付けられたわ。』
けっこう、痛い。
髭切「なかなかやるね、えーっと…。」
膝丸「膝丸だ。兄者に負けていられないからな。」
勝ち負けの話じゃないよ…
膝丸「それに、三日月殿だけとは面白くない。」
いや、仲良し兄弟か。
同じような事を言うな。
あれ?
『もしかして、分かるものなの?』
膝丸「俺達は月胡に顕現されたから繋がりが強い。
他の刀剣は気づかないと思うぞ。」
そうなんだ…
だったら、付けなくてもいいだろう。
ん?て事は、この二人には隠し事が難しいのか?
…あー、なんだか分からなくなって来た。
『もういい?
夕飯の支度しないといけないから。』
髭切「あれ。
もう、落ち着いちゃったの?」
『他人に付け入る隙を与えないよう、平常心でいられる訓練をしたからね。
あまり、こういう事しちゃダメだよ。』
髭切「気をつけるよ。」
本当かな…
『膝丸は?』
膝丸「月胡を困らせる事はしない。」
いや、今は若干困ってるけどね。
『わかってくれたらいいよ。
じゃ、行くね。』
本当に、訓練していて良かったよ。
…色んな訓練を、ね。
それにしても…
初めてのキスマークがこんな状況で付けられるとはねぇ。
人生、いろいろだ。
夕飯を仕上げ、後は自由に食べてもらうと言う事で私のやる事は終了。
自室に戻り、ベッドで横になる。
…今更思い出してドキドキする。
なんていうのかな。
大人の色気?が凄いんだもんなぁ。
こんな小娘相手に、仕舞っておいて欲しいものだ。
寝っ転がりながら端末を開く。
任務や依頼は届いてない。
ならば明日は鶴丸国永を顕現してみようか。
徹底的に調べて、少しでも確率を上げなくては。
髭切・膝丸は上手くいったけど、次もそうなるとは限らないからな。
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