第22章 優先
『ごめん、明石。
皆様、お待たせ致しました。
さ、私の本丸へ行きましょう。
[乱]さんがお待ちですよ。』
[平野]「あっ、あのっ!」
『慌てなくて大丈夫です。
まずは、移動しましょう?』
こんな本丸から早く連れ出したい。
蛍丸「主、また怒ってた?」
『…バレた?』
愛染「主、俺たちの事になると見境ないからなぁ。」
明石「ホンマですわ。
もう少し、やる気出さなくてもええんとちゃいます?」
『私の仕事がなくなるでしょ?
さー、帰ろう。』
みんなを連れて、我が本丸へと帰還する。
[乱]「みんなっ!」
玄関で[乱]さんが待っていた。
救出したみんなと抱き合って喜んでいる。
三日月「休んでいろと言っても、きかなくてな。」
『ただいま、宗近。
側に居てくれて、ありがとう。』
三日月「おかえり。
なに、出迎えたかったからな。」
宗近に頭を撫でられ、労ってくれた。
ホッとする…
『皆様、まずはゆっくりしましょう。
お風呂に入って、ご飯を食べて、お布団でゴロゴロしましょうね。
あ、[乱]さん。』
[乱]「はい!」
『見せかけの傷を消しましょう。』
[乱]さんの傷跡を消し、皆様を広間へお連れした後は長谷部や一期に任せて執務室へと戻る。
『はぁ…。』
椅子に座り、頭を抱える。
三日月「どうした?」
『…今回、刀剣を引き取る事が出来ない。』
乱や薬研と、当本丸にすでに顕現されている刀剣は無理だ。
かといって、そうじゃない刀剣だけを引き取るなんて…
あの子達はバラバラにしたくない。
私が責任を持って、次の審神者を選別するか…
三日月「討伐回数が増えると、そうなってくるなぁ。」
『……。』
最後まで見届けられないのに、手を差し伸べるのか…
三日月「それでも、放置できぬ。
…そうだろう?」
『うん。』
ならば、信頼できる審神者を探さないと。
バタン。
蛍丸「主。」
ぎゅっ。
ドアを開けて入ってきた蛍丸がそのままの勢いで、私に抱きついてきた。
『どうしたの?蛍丸。』
蛍丸「…すごいね、主は。」
『??』
どうしたんだ、急に…
明石「初めて任務に同行して、改めて主はんの事を尊敬したみたいですわ。」
えー?
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