第58章 絶対君主には成れずとも$ 下巻1
「あぁ、確かに『神の神業』と言われていたな。では、すまぬがその力で水を届けてやって欲しい」
「どういうことですか?」
「義勇。ここの滝が何処に続いているか知っているか?」
「大きく分けて三つ。一つ目は王宮に繋がる都市部一帯。二つ目はこの森林帯の農村部。三つ目は隣国のインフェルノの都市部だったかと」
「うむ。合っておる。お前は昔から座学は出来るな」
「ありがとうございます」
そんな先生と生徒のような二人のやり取りを朔が物珍しそうに眺める。
義勇様がどことなく嬉しそう。