第8章 上弦の陸
翌朝。
「宇髄よォ、こりゃあ一体どういうことだァ?」
ときと屋の屋根の上。
今日は、昨夜合流した不死川を交えた定期連絡。
ちなみに今回は柱である三名だけ。
「どうってぇと?」
「冨岡が、居るなんざァ聞いてねェ」
舌打ちする不死川に対し、淡々と答える冨岡。
「御館様の指示だ」
「だそうだ」
そうなのだ、いわば犬猿の中にある二人が共同任務にいるのは宇髄も予想外であった。
「けっ!」
「先に潜入してた俺の嫁たちとも連絡がつかねぇ。本格的にヤバい空気なんだよ」
「知るかァ、そんな事……」
「ま、どっかの誰かは昨夜、よろしくヤってたみたいだけどな?」
「………」
宇髄の発言にぐうの音も出ない冨岡である。
「はっ、お前女に入れ込んでんのかァ?」
「違う…」
違う、はずだ……
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ときと屋開店。
するりと伸ばされる腕の中に一際白い腕がある。
パシッ。
さて、今日のお客は--?