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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第57章 絶対君主には成れずとも$ 中巻


俺は……

気付かないフリをしようとしていた。

俺には寄り添ってくれる白藤が居る。

でも、朔には……?

俺以外の知り合いも居ない朔が誰を頼りに出来るのだろうか。

「戦いの最中に考え事ですか?ナメられたものですね!」

ガキィンっ!

けたたましい音を鳴らしながら、鍔(つば)競り合いをする。

まあ、実際には朔は刀に近い構造の剣で鍔がある。

が、相手の手にある擬煌珠(フィロ)は人工的に造られたレイピアを模した細剣で、鍔と言うよりは取っ手の着け根と言うべきか。

火花を散らしながら、攻守を牽制し合っていると、騒ぎを聞き付けた警官達がやって来た。

警官隊に顔を見られるのは不味い。

が、どうやら相手も都合が悪いらしい。

チッ。

舌打ちと共にノアズアークの一団は紫煌楼から退きあげて行った。

かくいう俺も手短に女将に事情を説明し、話しを合わせてもらって事なきを得た。

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