第57章 絶対君主には成れずとも$ 中巻
「エディルレイドを捕らえろ!」
「同契させるな!」
「義勇様、手を!」
同契が何なのか、朔の力が何なのか、分からないことばかりだ。
でも、今ここでこの手を取ることで、事態が好転するのなら、迷うことはない。
「私と一緒に声を」
「「静寂(しじま)の波動 揺らぐ心は水鏡 ことほぎ燃ゆる 御霊(みたま)の鎖 揺蕩(たゆた)う 飛沫(しぶき)と 契(ちぎ)り籠(こ)ん!!」」
朔が剣に姿を変える。
不思議だ。
もともと身につけていたかのような剣との一体感。
これが同契。
これなら、俺でも戦える。