第57章 絶対君主には成れずとも$ 中巻
翌朝。
「義勇様、あの……」
「ん、朔…?」
ガタガタっ!
下の階から騒がしい音がする。
「何だ?」
「反応はこちらの店の奥からです!」
「………っ!」
「また、アイツらか……」
紫煌楼の入口にノアズアークの一団が居た。
あの軍勢に易々と朔を渡すわけにはいかないが、騒ぎになるのも……
「あ、菫さんと百合さんが!」
二人がノアズアークの隊員に捕まっている。
「不味いな、………とりあえず下に下りるぞ。朔」
「はい」
なるべく音を立てないように、静かに行動する冨岡と朔。
「とりあえず女どもは捕らえてそこに並べろ。核石がないか身体検査だ」