第57章 絶対君主には成れずとも$ 中巻
「お邪魔しまーす!」
先程までの賭場独特の薄暗い雰囲気はどこへやら。
紫煌楼の店内には色めき立った女性たちの列が出来上がった。
施術は一人およそ十五分。
冨岡は素顔を晒して、女性たちの体を揉みほぐしていくのだった。
「お兄さん、私肩が痛いの…」
「そうか、内職でもしているのか?だいぶ固くなっているから、しばらく通うといい」
「……………///」
「どうした?」
「はい!時間見つけて必ず来ます!」
「そうか……待っている」
「キャー!」
キャーとはなんだ?
俺はやましいことはしてないぞ?
冨岡が埒も無いことを考えていると。
「はーい、次の人で最後ねー」
もう、そんな時間か。