第56章 新年用読切 新しい年を貴方と$
どうやら左隣にいる男性が怪しいようだ。
でも、カップルで来ているようだし、何故?
両手は塞がっているし、何より今日はブティックで下着は脱いでしまったし……
因みに脱いだ下着は着ていた服と同じ袋に入れて車の中にあるので、装着する術がないしで、絶体絶命である。
私の着ているカクテルドレスはシルク地で仕立てられているため、ツルツルとした布越しにお尻を撫でられている訳で……
手にしたグラスの中身は最初の一口分しか減っておらず、あまり激しく動けば、溢れるか取り落としてしまうかもしれない。
そう思うと余計に体が動かない。
そして悪いことに私のドレスは男性が触れている方にスリットが入っている。
どうしよう。
私が抵抗出来ないのを分かっているためか、触れ方がどんどんイヤらしくなっていく。
イヤだ、怖い。