第55章 スルタン企画 絶対君主には成れずとも$ 上巻
ん?待て、今何と言った?
「私の真名を言い当てた主様のお名前をお聞きしとうございます」
「………冨岡義勇だ」
「それでは、義勇様ですね」
にかっと笑う彼女とは裏腹に戸惑いを隠せない冨岡は問う。
「お前は一体何者だ?」
「私はエディルレイドと呼ばれる剣です。えぇと、こちらに。私の核石です」
彼女の右手の甲に光る核石と呼ばれる宝石は肉体と一体化しており、彼女が剣の状態になった時と同じ深い青色をしている。
「何だか嬉しいです」
「何がだ?」
「義勇様の瞳も私と同じ深い青ですから」