第55章 スルタン企画 絶対君主には成れずとも$ 上巻
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「ちょいとそこいくお兄さーん。良いものあるんだけど、寄っていかなーい?」
「要らん」
「ちょっと、いくらなんでも酷くない!?こちとらしがない武器商人ですけどね!?」
金髪の行商人が冨岡の行く手を阻む。
「そこを退いてくれないか?」
「あぁ、そうね!でも俺も行商人な訳!商売のためにも対面した相手には武器を見てもらうのがサガなの!」
バサっ。
行商人の少年は冨岡を自身の店へ連れてくるや、ニヤニヤと笑みを浮かべた。
「さぁ、今日はそれなりに揃ってるからさー。お客さんに似合いの武器をカスタマイズしちゃうよー?」
「おい、誰も買うとは言ってないぞ?」
「はいはい、皆最初はそう言うんですー、まぁ見てよ。お兄さん身形良いし、お忍びなんでしょ?うへへ」