第55章 スルタン企画 絶対君主には成れずとも$ 上巻
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おおよその大臣の筋書きでいけば…
正妻の子である煉獄杏寿郎を王位に挙げたくないのであれば、離宮で産まれた俺を含めた三人の王子の誰かを後ろ楯にしたいはず。
追い落とされた俺を除けば可能性があるのは二人。
何事にも柔軟に対応することのできる宇髄天元。
又は数々の武勲で名を覇せる不死川実弥のどちらか--
王位継承の番狂わせを狙うなら…
不死川に取り入るのが一番、か?
だが、そう上手く入り込めるほどアイツは甘くないはずだ。
「しばらくは様子見か…」
宵闇に染まる空を見つめ、下弦の月を眺める。