第45章 里帰り$
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二人で磨いた甲斐もあり、千手観音像はその輝きを取り戻した。
「綺麗になりましたね」
「あぁ、だが磨くのは明日の朝の方が良かったか」
確かに。
今日は満月。
くすみを落とした観音像は月光を反射し、輝いている。
「でも、神々しさは戻りましたよ?」
満足気な白藤を見て冨岡の頬も少しだけ緩む。
「二人揃って汚れたな」
不意に手を取られ、ドキリとする。
「裏手に温泉がある…」
「へ?」
「一緒に入るか?」
温泉?
冨岡さんと一緒に入る…?
改めて言われると何だか…
気恥ずかしい。
温泉。
確かに入浴はしたい、けれども……
一緒にとか、心臓が持たないかも……