第45章 里帰り$
柱稽古も終わり、私も正式に隠部隊配属のはずだったのですが、依然として体力不足が否めず……
まずは体が資本という名目から、日々冨岡さんの屋敷から蝶屋敷へ通っています。
負傷者の看護をしながら、隊員の方々が行う機能回復訓練というものを受けています。
「では、白藤さん。まずは柔軟からですよ」
「はい、アオイさん」
甘露寺さんに柔軟を教わっただけあって、体の柔らかさだけは及第点を貰えた。
一つでも取り柄があって、良かったと安堵する。
「次は鬼ごっこです。私を捕まえて下さい」
と、言われたものの……
アオイさん、速い。
「はぁ、はぁ…」
捕まえられる直前でかわされてしまうとは。
「焦らなくて良いですから。ゆっくり慣れていきましょう?」
アオイさん、優しいな。
「はい、またお願いします」
といった流れを一週間ほど続けた頃。