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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第43章 失意の夜$


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その頃。



「非番の日に呼び出されたかと思えば、冨岡さんが白藤さんに贈り物ですか?」

「悪いか…?」

「いいえ。少し意外だっただけです」



胡蝶は意味深に笑みを浮かべる。



「前とは違う物にしたくてな…」

「因みに前は何を?」

「ギヤマンの帯留めだ」

「ギヤマンですか。それはそれは…」

「何だ?」

「いいえ、別に…女性への贈り物ですからね、身に付けるものとか…小間物もですけど……紅なんてどうでしょうか?」

「紅?」

「口紅です。きっと白藤さんが付けたら今以上に綺麗になりますよ?色を選びましょうか」

「ああ」



胡蝶に促され、紅の色合いを吟味する。



「…なるほど、それぞれ色が違うのか」


「えぇ。白藤さんは色が白いですから…こちらが似合うと思いますよ?」



胡蝶の手に乗っている蛤の中には桜色の紅が入っていた。

確かに色素の薄い彼女の肌に合いそうだ。



「喜んでくれると良いですね」

「ああ…」



ほんの少しだけ唇を綻ばせ、冨岡は帰路へ向かう。


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