第40章 隠としての素質
ブチ。
冨岡の眉間に皺が刻まれる。
柱同士のただならぬ気迫に隊員たちが数人様子を伺いにやってきた。
「チッ。外野が増えた。今日のところは返してやらァ」
スッと不死川が白藤の上から避けるとすかさず彼女が冨岡の元へと走る。
甘露寺の様な格好の白藤を見て隊員たちがザワつき始める。
「誰?」
「キレイなお姉さんだ!」
「おっぱいでけー」
「まんま甘露寺さんじゃん?」
「揉みてぇー」
好き勝手に白藤を批評する隊士たち。
「隣にいるのって水柱様だよな」
「何でこっちに居るんだ?」
「あの二人って恋仲?」
フワリと白藤の着物を肩に掛けさせると耳許で行くぞと一言。
「掴まれ」
言われるまま、冨岡に掴まると。
「帰るぞ」
ビュンと一足で不死川の屋敷から飛び出す。
「ケっ!」
「風柱様、さっきのキレイなお姉さん誰ですか!!」