第27章 目覚め
ズズッ。
根本まで突き刺さっていた刀を半分ほど抜いたところで、白藤が咳込んだ。
「げほっ」
「やや!お目覚めですか?子鉄少年一旦止めて!」
「いえ、抜いて下さい。傷は…すぐに塞がりますから…」
ズズッ。
再び、刀を抜きにかかり、刀身が完全に白藤の腹部から抜けるとそこには案の定ぽっかりと空洞が空いていた。
だが、彼女の傷は見るまに塞がり、自ら立ち上がるまでになっていた。
「子鉄くん、鉄穴森さん、
すみませんがこの方たちの刀も抜いて下さい。抜いたら私が治療します」
「へ?」
呆けている鉄穴森に代わり、子鉄少年が返答する。
「わかりました!!」
「えぇっ!!(゜ロ゜ノ)ノ」
「良かったね、鉄広叔父さん。助かるよ」