第27章 目覚め
$$$
遡ること数十分前。
カチャン。
「やった、割れた。鉄穴森さん、止血を!!」
「まず、五人をこっちに運んで」
鋼鐵塚が作業しているあばら家に人質だった者たちを運び入れる。
「うぅ…痛い。」
「生きていただけ奇跡ですよ」
壺に囚われていた鍛治職人たちを介抱し終えると、いよいよ白藤の番。
白藤の足元の壺を慎重に割る。
無事に欠片を取り除くと、帯以外何も身に纏っていない白藤に二人揃って赤面する。
「とりあえず、鉄穴森さんの羽織着せてあげたら?」
「あ、あぁ。そうだね」
「鬼って言ってたから、刀抜いても平気かな?」
ズッ。
「子鉄少年、ゆっくりですよ」