第26章 激動
ピチョン。
玉壺の手にした壺から金魚が現れる。
その金魚の顔が突如破裂せんばかりに膨らむ。
ブウ。
「血鬼術・千本針魚殺!!!」
時透がいる屋根上に向かって無数の針が飛んでくる。
ガガガガガ。
飛んでくる針を回転しながら屋根から地上へ降りる。
「!!」
「わああ、子鉄少年!」
第二波が時透ではなく、鉄穴森たちへ放たれる。
と、二方向から現れる影。
「あっ、時透殿!!それと、煉獄殿!!」
二人の距離が近すぎたために技を使用できず、二人の体に捌ききれなかった針が数本刺さっている。
「邪魔だから隠れておいて」
「済まんが、藤姫殿と下がっていてくれ」
いつの間にか回収してきたのか鉄穴森に白藤を手渡す。