第4章 遊郭潜入大作戦$
「……」
「じゃあ真ん中の子を貰おうかね。素直そうだし」
「一生懸命働きます!」
炭子就職決定。
ざり。
旦那の前で躓くふりをする白藤。
「すみません…」
白藤を見て、ポッと今度は旦那が頬を染める。
「ちょっと、待っておくれ」
「私ですか?」
「そう、アンタだよ。えらい別嬪じゃないか。アンタもその人の連れだろ?兄さんこの子付けてくれたら金貨五十は払うよ!」
「そうかい。悪いな白藤」
「ううん。謝らないで兄さん。私ここで働く。うんと稼いで兄さんにきっと恩返しするから」
「そうか。俺は立派な妹を持って幸せだ」
即興で一芝居うつ二人。
「女将さん、旦那さん。今日から宜しくお願い致します」
「いい話だ」
「アンタ、今日から早速店に出ておくれ!名前は?」
「はい、白藤と申します」