第3章 藤の花屋敷の鬼女$(冨岡裏)
「はい?」
お前にする、とは?
さしもの白藤も何に選ばれたのかが分からず、首を傾げてしまう。
「ちょっと待って下さい!!隊員でもない方に任務にあたらせるのはどうかと思います!!俺たちも行きます!!」
どどん。
任務帰りの伊之助、善一がその場に現れる。
あぁ、そういえば。
この間もこの三人で藤の花の屋敷に逗留していた。
「今帰った所だが俺は力が有り余ってる。行ってやってもいいぜ!」
「ちょっと待って。誰?あのお姉さん。ちょー美人なんですけど?まあ禰󠄀豆子ちゃんの次にだけど!!」
何だか少々煩い気もする二人。
「……あっそォ。じゃあ一緒に来て頂こうかね」
宇髄はそれに臆した風もなく、飄々と答える。
「それで?宇随様、どちらに行かれるんですか?」
「日本一色と欲に塗れたド派手な場所。鬼の棲む"遊郭"だよ」
「!!」
-了-