第80章 家族の形$ 其の二
「それが……」
「お前また部屋に閉じこもって薬ばっかり研究してんだろ?たまには息抜きがてら美味いもんでも食いに行かねぇか?」
「だからしのぶ様はお忙しくて……」
「良いじゃねぇか。面倒な事はそこにいる生意気娘に任せりゃ良いし、下働きはチビ三人とあの愈史郎とかいう坊主が居るんだからな!」
ハッハーと笑い飛ばす辺りが鋼鐵塚らしいといえばらしいのだが……
何となく違和感も感じる。
「そうですか。でも、そうですね……少し歩きましょうか」
胡蝶の返事を聞いて鋼鐵塚が応答するのとほぼ同時に、アオイがほっとした表情を浮かべたのを彼女は見た。
この誘いはもしかしたらアオイが計らったものなのかもしれない。
仕事にかまけて外へ出たがらない私を鋼鐵塚を使って連れ出そうとしているのだろうか。
それほど、彼女に心配をかけていたのかもしれない……