第78章 華ぞ咲く$
「これ以上は……」
「して、くれないんですか?」
「……は?」
しのぶが熱の篭った視線で鋼鐵塚を見つめる。
鋼鐵塚はその視線からバツが悪そうに顔を背けた。
「鋼鐵塚さん……私……」
「アンタみたいな綺麗なお嬢さんが、俺みたいな不細工に無理して純潔捧げようとしなくてもいい。もっと自分を大事にしろ」
「………大事にしてない訳じゃないです。私、ずっと好きだった人に振られて……それを引きずってて。一人でうだうだ悩んで、今日鋼鐵塚さんと話してストンと肩の荷が降りた気がして……」
話している内に、はらはらと涙が零れてくる。
「一人で持て余しているこの熱を、貴方となら構わないって、思うのは……私がおかしいのですか……?」
「………っ///」
「鋼鐵塚さん?」
「アンタ、本気か?」
「本気です。それと……アンタじゃなくて、しのぶって呼んで欲しいです」
「……俺で、良いのか?しのぶ」
「………はい。貴方がいいです」