第78章 華ぞ咲く$
母屋の角部屋、ひさの自室にて。
「ひさ婆、何か用事?あれ、風柱様」
「お、幸。お前もか?」
『お前も』とは……?
風柱様も呼び出されたってこと?
「よいしょ。幸、来たかえ?」
「うん」
「風柱様。よう、お越し下さいました」
「おう。婆さん、今日はまたどうしたんだ?」
ひさは二人の顔を見ても穏やかに笑うだけ。
「まあまあ。とりあえず楽にして、お座りになって下さい。今お茶をお持ちしますから」
「ひさ婆、私がやるよ」
「じゃあ頼もうかね」
「うん!」
ひさと幸を見て不死川がふと口元を綻ばせた。
「さて、風柱様」
「何だい、婆さん」
先に戻って来たひさに不死川が向き直る。
「うちの孫娘。嫁にもらってくれんかね?」
「は?」