第77章 華ぞ咲く$
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話し込んでいて、山越えをするとなると日を跨いでしまう時間帯になっていて、急遽鋼鐵塚が一泊することとなったのだ。
病室以外の私室はすみ、きよ、なほの三人部屋とアオイとカナヲの二人部屋。
カナエが使っていた部屋には珠世と愈史郎がいる。
あとは私の自室とこちらの客間だけ……
「俺は別に、何処でも寝られるから構わねぇぞ?」
客人に気を遣われる始末など、蝶屋敷としての矜恃が許さない。
カナヲからは先程今日は外泊するという知らせがあったし、アオイをしのぶの部屋に寝かせれば彼女の私室に鋼鐵塚を泊める事ができるかもと思いつき、しのぶはアオイの部屋の前に来たのだが……
「だめぇ、そこは……///」
「逃げんな、こっち向けよ、アオイ」
「んむ、はぁっ……誰か、来ちゃう……///」
この感じからして、どう考えても真っ最中ですよね……?
相手は伊之助君、かしら?
どきどきと鼓動が跳ねる。
とりあえず、ここから離れなければ………