第76章 祝福の白は青と交わる$(冨岡裏)
蝶屋敷にて。
「おい、冨岡が見つかったって本当か!?」
「宇髄。その様だ、藤の屋敷に居るらしい」
駆け寄ってきた宇髄に煉獄が応対する。
「白藤は、無事なのか!?」
「あぁ、今は眠って居るらしい。藤姫殿を静養させたいと冨岡が藤の屋敷に担ぎ込んだと報告があったらしいからな」
「そうか……って、随分、詳しいじゃねぇか。煉獄」
「うむ!今しがた確認して来たばかりだったからな!!」
「確認って、誰に……」
「あぁ、もう!道を空けてくださいお二方!」
しのぶの私室に向かう廊下で話し込んでいる二人に声をかけてきたのは、主人不在の間ここで治療を取り仕切っていたアオイである。
「うむ、済まなかった!」
煉獄は快活に返事をすると、宇髄を連れて中庭へと場所を移した。
「ここなら良いだろう」
「わざわざ場所移さなきゃいけない話でもあったか?」
「いや、先程の神崎女士に柱の方々は騒ぎになるので別室へと怒られてしまってな…」
三人娘は喜んでくれたんだが。
高い高いをしていたら怒られた。
「何やってんだよ……」
宇髄はくだらないと笑いながら続ける。
「柱に向かって、説教できる忍耐付いたんだなぁ……女っつーのは怖ぇーな」
「怖い?」
「何よ、その顔」
「よもや、君からそんな言葉が出るとは……」
「俺をなんだと思ってんだよ……」