第75章 君と二人で永遠(とわ)に眠るる
「子を成すかはまだ考えていないが……俺は生かされているのならば、繋いでいくことも考えなければと、思うようになった……」
冨岡は空を見上げながら、だけども何処か遠くを見るような仕草を見せる。
「そう、ですか……」
炭治郎はその様子を見ながら、内心葛藤する。
これ以上、詮索するなって事かな?
怒っている匂いはしないけど……
それでも、やっぱり……
冨岡さんは、寂しそうに見える。
「炭治郎も新婚だろう?」
「え!?俺の所は、そんな……」
「改めて、おめでとう……」
「いえいえ、そんな!!」
くいな様も、冨岡さんを放っておけなかったのだろうか。
そんな炭治郎の想いを知ってか、知らずか。
「「くいな様」」
「しのぶさんに蜜璃さん」
しのぶと蜜璃は花嫁支度をするくいなの様子を見に来てくれたのだ。
「くいな様、とっても素敵!!」
「ありがとうございます」
「『さん』付けは要りませんと申してますのに」
「いいえ。貴方たちにはずっと尽くしていただいているので。ところで……しのぶさんは義勇さんに想いを伝えたのですか?」
「ゲッホォ!!」
「しのぶちゃん!?大丈夫?」