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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第74章 春待ちて、芽吹く想い


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「輝利哉様、冨岡様がお見えです」



くいなが声をかけると、当主となった輝利哉が奥から出てきた。



「よく来てくれたね」



穏やかな話し方はどことなく父君である耀哉様に似ている。



「お久しぶりです、輝利哉様」



冨岡が頭を下げると輝利哉は畏まらずにと声をかける。



とはいえ、もはや慣例となっている所作を変えるのは至難の業なので、輝利哉も苦笑いを浮かべるのである。



「今日は君に受け取って欲しいものがある」

「受け取る?」



はてと首を傾げる冨岡に輝利哉は風呂敷に包んだ物を手渡す。


額縁か何かだろうか……



「開けてみてくれるかい?」



輝利哉に促されて包みを開くと、額縁に納められた絵が現れた。


穏やかな笑みを浮かべた白藤の姿。


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