第72章 乞い願う、光を求めて
要は時間稼ぎか……
「まぁ、良いぜ。早めに方を付けて白藤にまた治療して貰うつもりだからな」
「……ええ。良いですよ」
よし、言質はとった。
例えそれが分かりやすい嘘だとしても、宇髄は道満の正面に躍り出る。
「かますぜェ!!音の呼吸 肆ノ型 響斬無間!!」
現実的に考えても、自分の技では道満に決定打を打ち込めないのを宇髄は理解している。
煉獄や冨岡、不死川を持ってしても、道満にやり込められているのだ。
三人の実力が分かった上で、宇髄は分析しているのだ。
あれは本当に人なのか?
鬼のように首を斬ったら死ぬのだろうか。
いいや、白藤の話が本当だというのならば、何百年と時を超えている時点で既に人では無くなっているはずである。
それこそ、化け物と呼ぶにふさわしいのは彼奴だろう。
白藤が言うように、結界やら霊能力やらで乗り切る以外もう打つ手はないのかもしれない。