第72章 乞い願う、光を求めて

何百年前の話だよと、内心毒づきながらも、宇髄は白藤の話に耳を傾ける。


必要な情報は全て拾わなくてはいけない。


何かのきっかけで道満を倒す糸口を見つけられるかもしれないからだ。



「白藤さん……」

「舞山様も私も、あの男によって、捻じ曲げられたのです」



あったかもしれない未来も、陰陽師なら星見をして見通せる。


抗って変えられる道筋を伝えるのも、陰陽師の役割だと言っていた術者も居たくらいだ。



「今度は私が、舞山様をお守りします」



白藤の瞳には、もう曇りは無かった。



「宇髄様、爆風で道満を撹乱して貰いたいです。結界を組みます」

「結界？」

「道満ほど強くは編めませんが、私の髪と丁度よくここに封じられているという酒呑童子の首の力を利用すれば……足止めくらいは出来るはずです……」