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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第72章 乞い願う、光を求めて


「それ、は……」



何故か頭の中に霧がかかってしまい、思い出せない。



「君と炎柱が会った場所の近くで、心当たりは?」

「いえ、気絶していたので……」



尋問されている訳では無いのに、何となく嫌な汗が背をつたう。



「混乱しているのかも知れないね。焦らなくていい。だが当分は君は藤の花の屋敷に入って貰う」

「藤の花の屋敷?」



耳慣れない名称に白藤が首を傾げる。



「ああ。隊士達の怪我の治療などを目的とした旅籠の様な屋敷だよ」

「治療……でも、私に医療の知識は……」

「そう。でも、君にとっても悪い話じゃないはずだ。君は、藤の花の屋敷に隊士が治療に来たら、性を喰らっていい。不思議なことに、君を抱くと怪我が治るらしいしね」

「え……?」



怪我が治る?



「君は恐らく鬼だろう。けれど、人喰い鬼ではないようだから、とりあえずは様子見だね。けれど、私の家族である隊士達をその手で殺めるようであれば、君の身の保障もなくなるから、そのつもりでね?」



最後のは警告だろう。


それまでの優しい声音とは違う、冷淡な響きをしていた。


こうして、白藤は鬼殺隊の藤の花の屋敷で働くようになったのである。


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