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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第75章 折れない心


あと一歩のはずだ。


何が足りない?


鬼が苦手なもの……


「炎の呼吸 陸ノ型 天道直下!!(テンドウチョッカ)」

真上から刀を振り下ろし、煉獄は道満の髷(まげ)を斬りつける。

烏帽子も髷と同様、斬りつけられ、道満の髪は支えを失い、漆黒の髪が広がる。


「タ、スケテ……」


「!?」


広がった髪の隙間から見えたのは拳(こぶし)大の小さな白い人面。

こぽこぽといくつも顕(あらわれ)れ出した白い顔はそれぞれに口を開き始める。



助けを乞(こ)う声。

懺悔(ざんげ)する声。

呻(うめ)く声。

啜(すす)り泣く声。

怒り叫(さけ)ぶ声。



この顔達は道満に殺された無残な怨嗟の形なのか。




「炎の呼吸 漆ノ型 焔の燐片!!(ホムラノリンペン)」


乱れ打ちの合間に煉獄と道満の間を小さな黒い身体が駆け抜けた。

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