第75章 折れない心
「終いにしようぜ?白藤……」
「兄貴、本気かよ!!」
白藤に刀を向ける不死川を見て玄弥が困惑する。
「白藤は無惨を取り込んで、その上あの術師に呪いをかけられたんだ。化け物になっちまったソイツはそのままにしておけねェ……」
誰かがやらななくてはならないのなら。
俺は。
不死川の仕草をただ眺めていた。
その動きで彼が白藤を手にかけようとしているのを察した。
目視してすぐに、反射的に体が動いていた。
いや、突き動かされたのだ。
俺は……
もう、大切な人を目の前で亡くしたくない。
その一心で。
不死川の正面に立ち、日輪刀を構えた。
「化け物ではない。……白藤は俺の『恋人』だ……」