第75章 折れない心
「貴様の主は私だぞ!!」
「たとえ、そうだとしても……私は貴様を許さない……!!」
眉間に皺を寄せ、冷や汗を流しながらも、無惨は道満を羽交い締めにして、離さない。
その意図を柱達は読み取った。
「やれ!!」
無惨が叫ぶ。
「ヒノカミ神楽 火車!!」
炭治郎の刀が、道満と無惨の腹を貫く。
刀のせいで更に身動きの取れなくなった道満は喚き始めた。
「無惨、貴様は鬼の始祖だ。その力で幾人もの命を殺めた化け物。それなのに、人に与(くみ)するというのか!」
「ああ、だがそれだけでは終わらない……蘆屋道満。貴様は私と共に灰となるのだ…!!」
そうだ、彼女が当時の彼女だとしても……
ここで死なせてはならない。
彼女は、私の……大切な家族だ……